わたる・バックナンバー2001/07

2001/07 2001/09

2001/7/24
わたる

日本の若者って子供っぽい???

ある日本に住んでいるヨーロッパ人の友人は、日本の女の子って子供っぽい、 ということを会うたびに言ってくる。体のつくりから見ても日本人は、西洋人に比べ小柄だし、 年をとってもふけにくいこともあるが(確かにフランスのサッカー選手ジダンなんて27歳で、 すでにオヤジの顔)、彼が言いたいのは外見ではなく精神面のことだ。 彼の言うことはわかるし、事実、僕自身そう思うことがよくある。 一般的にみてヨーロッパの若者のほうが自分の考えをもっているし、態度もはっきりしている。 このような違いが生まれる原因には社会的なもの、 または教育的なものなど、考え方の根本的な違いがあるように思う。

社会的な面をみると、ヨーロッパは完全な大人社会なのに対し、 日本は大人社会があるのと同じぐらい重要な子供社会も存在する。 それはまだガキとしかみえない少年少女タレントの異常なまでの人気、 女子中高生に対するあこがれ、または批判など社会的関心度の高さからみても はっきりしている。要は、大人でいるよりも子供でいることのほうが楽しいと思う10代の若者が 結構いることだ。

それに対し、ヨーロッパの子供はかわいがられても社会の関心度は日本に比べて断然低い。 家族的レベルから見ても、ヨーロッパの夫婦はベビーシッターを雇ってでも夫婦だけの時間を 持とうとする。ある友人夫婦の家に夕食を招待されたときのことだが、 ちょっと早めに行くと彼らの7歳の息子がひとりで夕食を食べていた。 その食べているものは、まさにア○ロフロートの機内食そのもののようなまずそうなものだった。 僕の考えていることに気づいたのか、奥さんは、息子の夕食が終わり寝かせた後、こう言った。

「あの子に聞かれたのよね、今夜ワタルとママ達が食べる夕食って僕の食べているものと 同じものかって。もちろんそうよ、と答えたんだけどちょっと罪悪感かんじるわ。」

ちなみにその時の夕食は、サラダ、パエラ、手作りのパイだった。

こういうことはフランスではよくあることだ。そして、 こういうことを日常よく目にするフランスの子供達は、できるだけ早く大人になろう、と思う。 事実、彼らは子供でいることで得するどころか損した気分になるのではないか。 フランスで未成年で酒、タバコ、セックスを始める数は、人口からみて日本より多いだろう。 それは、欲望があると同時に周りからオレは大人だってことを認められたい気持がより強いからだ。

2001/7/31
わたる

フランス人って不潔!?

「フランスの男の人って、くさいからいやなのよね。」

これは、フランスによく遊びにくる日本の女友達の口癖だ。

「うん、そうかもね。」

などと適当に相槌をうっていると、今までの鬱憤をはらすかのように、 早口になってまくしたてる。

「フランスのトイレって、手を洗うこともできないことが多いじゃん。 あれも信じられないよね。それから、マルセイユなんか犬のフンばかりで、 歩いているだけで服ににおいがしみつくってかんじだもんねー。もうサイテー。」

最後には、

「フランス人ってやっぱ、肉食人種だから日本人みたいな繊細さが、ないんだろーね。」 と、問題発言になりそうなことをいう。

彼女のいうことは事実だし、僕自身そう思うこともよくある。例えば、 ふろに1週間入らないやつなんか結構いるし、ある友人は女の子とデートに行くとき以外、 ほとんど歯をみがかない。高校の寮にいたとき、 となりのベッドにいたやつはほとんど靴下をとりかえることがなかった。彼は、 毎朝、体につけるよりも靴下にデオドラントをつけていた。それを不思議に思い聞いてみると、

「デオドラントをつけるときたない靴下もこうして洗いたてのようにきれいになるんだ。」

と、明快に答えられ、開いた口がふさがらなかった。 (ちなみにフランス人みんながこんなことやっているとは思わないでください。)

このたぐいの話の中で一番凄まじいのが、 ある友人1がちょっとヒッピーぽい友人2の家に夕食を招待されたそうだ。 夕食前でまだ汚い皿が残っていたのを目にした友人1は、その友人2に皿洗いしようか、 と聞くと、彼は、

「気にしないで。」

と言いながら皿をトイレに運んだ。不思議に思った友人1は、彼についていくと、 なんと皿を便器の中に置き、水を流しながら、

「頭を使えばトイレだってクソする以外になんだって使えるんだ。」

と、言ったらしい。さすが(?)のフランス人の友人1もそれには驚き、 食欲が全然湧かなくなってしまったらしい。

このような話は例外中の例外だし、フランスにも清潔好きな人も当然いるが、 一般的にみて日本人のほうが清潔好きだという印象を受ける。


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