まき・バックナンバー2001/10

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2001/10/22
まき

子供が見てはならないテレビ番組

 どこの国でも、多かれ少なかれ 「子供の教育上よくない番組をどうやって子供に見せない様にするか」という問題があるようです。 日本の場合は映画だとR指定といって入場の年齢制限がありますが、 テレビには何の制限もありません。というよりもテレビの場合、 よっぽどやばいシーンは放送する前にカットされます。それ以上は親任せです。

 アメリカはというと、子供によろしくない番組を映らないようにする装置なるもの (実際どんな装置なのかは?ですが)が(おそらく家庭に)あるらしく、 それを使うことによって親の責任は軽減されているそうです。アメリカらしいなあ、と思います。

 ではフランスは?映画は日本と同じように年齢制限があります。テレビの場合、 制限のある番組の画面下にマークが出てきます。軽いものから、親の許可があるのが望ましい、 親の許可が必要、16歳以下禁止、18歳以下禁止ということになっています。 これらのマークには何の拘束力もなく結局は親の判断に任されるのですが、 1996年にこのマークを出すようになって以来、 子供によくないと思われる番組を見る子供の数が減ったらしいです。

 さてここまで「子供によくない番組」と書いてきましたが、 どんな番組がよくないのでしょうか?日本では一般的に、露骨なセックスシーン、 過度の暴力シーンのある番組だと思われています。特にセックスシーンを見せない、 という方に重きが置かれていて、暴力シーンの悪影響は青少年犯罪の凶悪化に伴い、 最近目を向けられてきたように思います。

 しかしフランスでは「子供によくない番組」イコール「暴力シーンのある番組」のようです。 前記のマークも暴力シーンの度合いによって決められている様です。 セックスは人間が生物として欠かせない要素ですが、 暴力というのは根本的に悪だという考え方なのでしょうか? フランスでは両親が子供の前でキスするなんて極当たり前のことでしょうが、 日本では考えられません。セックスに対するタブー度が全く違う様に思います。

 それに引き換え暴力シーンに対してフランス人はとても敏感です。 「え、この程度で制限のマークがつくの!?」と思うくらいです。語学学校の授業中にも、 先生に「どうして日本のアニメや漫画はあんなに暴力的なの?!」と嫌悪を露に質問されました。 確かに日本のアニメや漫画には過度な暴力シーンを含むものが多くあります。 それはアメリカ映画にも言えることで、禁止マークのついているのはアメリカの アクション映画に多い様に思うのです。もともとアニメや漫画は子供向けのものという意識が あるので、特に目の敵にされるのでしょうか。日本のアニメにもいいものがたくさんあるのだけど、 impressionnableなものだけが輸入されている結果なのでしょう。

 日本とフランスの親達に「子供に見せてもいい映画」、「見せたくない映画」 を分類させたらたぶん全く違う結果になるんじゃないでしょうか?


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