まき・バックナンバー2002/02

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2002/2/14
まき

フランス映画のすすめ
〜映画超初心者の感想〜

とても久しぶりに書いています。

 「フランス映画」、なんてアンニュイそうな響き。。。日本では1年に1本観ればいいほうだった私でしたが、フランスに来て1年と少しで4回も(私にとっては"も"なのです)映画館に足を運びました。語学学校で選択していた映画史の授業で観たものを合わせるとすでに十数本。外国語で観るというハンデも考慮すれば、これはすごい頻度アップです。

 わたしは映画には全く疎く、監督や俳優の名前などほとんど知りません。映画史の授業で習ったいわゆる「巨匠」と言われるような監督さんでさえも知らなかったくらいです。だから全く先入観なく観たい映画を選べ、演技も観れます。もっとも、詳しい方に解説をしてもらうと「おお〜」とか感心してしまって、さらに楽しいのですが。

 最初に書いた様に、全てのフランス映画がアンニュイな雰囲気をかもし出している訳ではもちろんなくて、げらげら笑えるものもあります。しみじみするものもあります。最初はみんなげらげら笑っていても(わたしは笑えなくて悔しかったりすることも多いのですが)、ラストシーンには観客のなかにはほろりと涙しているひとがいたりして。私が観た映画では終わり方が「あ〜」って頭をかきむしりたくなったり、後から意味をじっくり考えてう〜んと唸ってしまうようなのが多かったです。その他言葉のハンデがある私でさえ、思わずくすくすと笑ってしまうような言葉の掛け合いを楽しむようなものあり、さりげない部屋の装飾や、登場人物の服装や髪型なども楽しめるものあり。こういうセンスはフランスのテレビで流れているコマーシャルにもうかがえると私は思っているのですが。。。

 「そういう映画なら、別に映画館に行って観る必要無いんじゃない?迫力のあるスペクタクルだからこそ大画面で観るのがいいんじゃない。」と思っていた私は浅はかでした。やはり映画館に足を運んでチケットを買い、あの映画館特有の匂いをかぎ、雰囲気を楽しみ、上映が始まるまでの数分間をドキドキしながら待つ。周りのお客さんのドキドキ感も伝わってきたりして。そして帰り道は映画に思いを巡らせ歩く。こういう前後を含めた一連の行為全てひっくるめて映画が楽しいと思えるようになりました。

 しかしわたしが映画館に行くようになった(といってもまだ4回。これから映画館通いしようと思っています)理由としては、フランスでの映画の安さも無視できません。約5ユーロ、600円程度です。それにグルノーブルというそれほど大きくない町でも、映画館の数は15軒を下らないんじゃないでしょうか。それぞれは小さくて、たいていの映画館には小部屋が3,4個はあり、同時にいくつかの映画がかかっています。日本の封切りのかからないマイナー映画館のような雰囲気です。しかしシートは快適、きれいで観やすい。娯楽として映画はかなり一般的のようです。日本映画も常にどこかで何本かは上映されています。フランス人に、日本映画はまあまあ受けがよさそうな感じです。


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